ナース・研修医がのぞいてみたい 消化器外科医の頭の中
ナースに伝えたい 外科医の思考・視点 医療者として大切なこと
看護書には書かれていない「臨床で大事なこと」
消化器外科医の視点・思考を知れば、術後管理が変わる
消化器外科医として約40年。西口幸雄先生が臨床で積み重ねてきた経験と技術・知識をもとに、看護師、若手医師のみなさんに知ってほしい「大事なこと」をまとめました。
消化器外科医の一番の特徴は、解剖を熟知している点です。解剖の理解を軸に、手術や治療、栄養状態などをトータルで検討し、その患者にいま、「何をすべきか」「何ができるか」を判断しています。外科医はどのように治療を決定し、患者のどこをみて、指示を出しているのか。医師の視点・思考を知り、解剖と手術・治療を関連づけて理解すれば、より確かな術後管理につながります。ドレーン排液の特徴、術後合併症の予防・対応、患者への説明、向き合い方など、看護書には書かれていないポイントが満載です。
[著者紹介]
西口幸雄(にしぐち・ゆきお) 地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センター 病院長
1982年大阪市立大学医学部を卒業後、同大学第一外科で研修医・臨床研究医、関連病院勤務やオハイオ医科大学留学などを経て、1992年大阪市立大学医学部第一外科、2001年大阪市立総合医療センター消化 器外科へ入職。大腸手術を専門としながら、栄蓑を基盤とする患者管理を提喝。2019年 大阪市立十三市民病院病院長となり、2020 年5月より国内初の〝コロナ専門病院〟として 診療の指揮を執った。2022年4月より現職。いまなお外科医として診療にあたる。
PEG・在宅医療学会理事長、日本外科学 会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本大腸肛門病学会専門医・指導医、日本内視鏡外科学会技術認定医、ほか多数。
その2 手術・治療のこと
その3 術後のこと
その4 栄養のこと
その5 日々の診療のこと
その6 看護師のみなさんへ
【著者の西口幸雄先生より】
消化器外科医である私の頭の中を、6つのテーマに分けて整理してみました。
ただ、臨床では、それぞれを分けて考えているわけではありません。
特に「その1」「その2」「その3」は、行ったり来たりしながらまとめて読んでいただけると、
身体と病態と治療のつながりが理解しやすいです。
「その4」はすべての治療、すべての患者さんにかかわることで、「その5」「その6」は消化器外科医として、医療者として、私が大事だと考えていることを書いています。